世の中では「頑張って」「頑張れ」「頑張ろう」という言葉が無責任に使われますが、使ってはいけない場合もあるので知ってほしいと思います。
「頑張れ」を使ってもいいとき
昔、フルマラソン大会に出たときのことです。
高校の時は運動部でもなかったし、大学でも運動サークルではありませんでした。
先輩から誘われて、フルマラソンエントリー!
完走できるかどうかも不安なので、友達とちょっと練習したりしながら、本番を迎えました。
ちなみに、友達も素人(*^^*)
初参加♪
タイムは気にせず、完走が目的なのでペースはゆっくり目です。
それでも30キロを超えたあたりから徐々にしんどくなり、40キロになるときには、もうヒーコラヒーコラバヒンバヒン(by お坊茶間:古い(-_-;))状態でした。
それでも足を止めたくない・・・
ゴール近くになると、たくさんの人たちが声をかけてくれます!
「もうちょっとだから、頑張れ~」
「もうちょっとだよ」
「頑張って、頑張って、あと少し!」
このときの「頑張って」は、本当に力になりました。
「頑張れ」という言葉を使うとき、それはゴールが決まっていて、もう少しで達成できるという場合です。
たとえば、「あと1キロ、頑張れ~」と言われると、「あと1キロだ、最後の頑張りだ!」と力が出てきます。
どちらかと言うと、「頑張れ」は付属で「あとちょっとだよ」と道を示したり、目的地までの距離をもう一度再確認させることでモチベーションを上げることが大切。
そのときの「頑張れ」は本当に力になります。
また、尊敬している人や、自分よりも前に進んでいる人からの「頑張って」も、叱咤激励となってモチベーションを上げるかもしれませんね。
ただし、たいていはの「頑張れ」は意味がなかったり、相手をどん底に落とすような重さがあるので注意が必要です。
「頑張れ」が意味をなさないとき
「頑張れ」と言う言葉は、無責任に使われることがあります。
それは、関係していないにもかかわらず、「頑張れ」という言葉を使うときです。
また、何の頑張りをしていない人からの「頑張れ」も意味がない、または非常に軽い状態となります。
たとえば、
A社に努めているaさんが、B社に努めているbさんに対して、bさんの仕事での頑張りを全然知らないにも関わらず、aさんがbさんに「仕事、頑張れ」と言うのも変な話です。
中には、「なんであなたに、頑張れって言われなければいけないの?」とイライラする人もいます。
ありがちなのが、親が子に「仕事、頑張れよ」とか「学校、頑張れよ」と言うケースです。
親は子の仕事での頑張りや学校での頑張りを認めることもしないで、勝手に(不快考えなしに)「頑張れよ」と言う。
もちろん、励まそうとしているとは思いますが、励まし方としては本人を傷つける方向に進んでしまうかもしれません。
また、自分の過去の頑張りを掲げて、今の人に「頑張れ」と言う人がいます。
「俺がお前のころは、本当に頑張った。だからお前も頑張れ」と。
たいていがいらぬお世話になりますのでご注意を。
本当に誰かをサポートしたいと思った時は、「頑張れ」ではないのです。
「頑張れ」と言う言葉の裏には、「私は関係ないけど、とりあえず頑張ってね」とか「頑張らないからうまくいかないんだ」と言ったニュアンスが含まれたりします。
また、自分で「頑張ります」と言うときも、たいていは頑張れません。
なぜかというと、本当に頑張る人は「頑張ります」と言う前に頑張っているからです。
「頑張ります」と言うのは、そのあとにできなかったとしたら、「頑張ってもできませんでした」という逃げの言葉なのです。
頑張ったかどうかは気にしなくていいのです。
出来たら「できた」、出来なかったら「出来なかった」で大丈夫。
とはいっても、私も「頑張ります」を使うことがあります・・・(゚Д゚;)
今後、注意します・・・(-_-;)
もし、「もうちょっと前進するぞ!」という思いを言葉にしたければ、「頑張る」ではなく「もうちょっと」「もう少しやるぞ」「また、チャレンジします」で大丈夫です。
大切なのは、「頑張ること」ではなく「やること」(達成・未達成は結果でしかありませんので)ですから。
「頑張れ」が本人を苦しめるとき
ここからが本題です。
うつ病の方に「頑張れ」と言ってはダメな理由になります。
人は『本質的な自分』『思考』『感情』『身体』で出来ていると思ってください。
『思考』とは、頭の中での会話になります。勝手に出てくる言葉ですね。一瞬はコントロールできますが、ほとんどコントロールできません。
『感情』も同じようにずっとコントロールできるものではありません。人間はロボットではないので、ポジティブな感情もネガティブな感情も、どっちも大切な『感情』さんからのメッセージなだけです。
『身体』もホルモンバランスや心臓・肺・内臓の動き、神経伝達の動きなど、大半がコントロールできません。
このように、私たちが自分として扱っているものには、『本質的な自分』『思考』『感情』『身体』があります。
ガンダムで言うと、操縦者が『本質的な自分』、本体が『身体』、「ガソリンが少なくなっています」とか「敵が接近中」と教えてくれるのが『思考』、「進んでいる方向が違います」と方向性を教えてくれるナビゲーション・システムが『感情』になります。
ちなみに、『感情』のナビゲーション・システムは本人にとってのみ作動しますので、社会的な方向性や組織の方向性ばかりに合わせていると、本人を無視した状態になってしまい、ナビゲーション・システムの画面が曇ってしまいます。
『感情』がわからなくなってしまいます(感情に蓋をした状態)。
うつ病の方、またはウツ症状の方は、自分の『感情』がわからなくなっていて、『思考』も『身体』もオーバーヒートしている状態になります。
もう、今まで一生懸命に、自分をないがしろにしてまで頑張ってきた状態です。
そこに「頑張れ」と言うことはどういうことか・・・
オーバーヒートしている状態の『思考』と『身体』をもっと使って、人生を過ごせ!
と言っているようなものです。
人に置き換えると、「あと、1時間走ったら疲労骨折する」という状態にもかかわらず、「もっと頑張ってはいる練習をしろ!1時間でも3時間でも走ってこい!」と言っているようなもの。
骨、折れますよ。
『思考』が折れると、精神的な不調が回復から遠ざかります。
『身体』が折れると、元気が出なくなります。
『感情』が折れると、日々がモノクロになり楽しさや幸せがわからなくなります。
ですので、「頑張れ」はその人を痛めつける言葉になってしまうのです。
結局
結局、「頑張れ」という言葉は、目的地が定まっていて、そこまでの一過性のモチベーションを上げるための言葉にすぎません。
使いどころを間違えると、本人にとって重荷となったり、気づ付けることになりかねないのです。
そもそも、人が思っている以上に本人は頑張っていることが多いのです。
だから、「頑張れ」ではなく、「頑張っているね」「楽しんでね」「辛いときは話をしてね」「今日はのんびりしようか」「ちょっと気分が良くなることも忘れないでね」でいいのです♪
読んでいただき、ありがとうございます☆☆☆