嫌なことがあると、お酒を飲んで忘れようって考える人、多いかもしれませんね。
昭和の時代は会社帰りに飲み屋によって一杯やって帰る。
もちろん、飲みにケーション(誰かとアルコールを飲むことで、コミュニケーションを楽しんで行う)ということもありますが、実は脳や身体からすると、お酒を飲むことと嫌なことを忘れる事とは結びつかないということがわかっています。
それどころか、嫌な出来事を肴にお酒を飲むと、その嫌な出来事に対する記憶や感情が強められるということも分かってきました。
お酒を飲むと判断力が鈍ります。
判断力というのは、嫌な出来事があったときはそれに対処する思考力とも言えますよね。
つまり、お酒を飲むほど、酔っぱらうほどに対処する力が出なくなっていくんです。
人間は感情で行動する生き物ともされています。
お酒を飲むことで、「嫌だ」という感情が制御できなくなり、「嫌だ」という感情がだんだん大きくなっていくんですね。
それが繰り返されると、お酒を飲んでいなくても、その嫌な出来事に対処する力が出なくなってきますので、嫌な記憶を消すことができなくなってきます。
その結果、記憶に「嫌だ」がまとわりつくようになり、ストレスが出続けるようになります。
ストレスが出続けると、扁桃体の働きが暴走してホルモンバランスが崩れます。
ひどい人だと鬱症状なども出やすくなってくるんです。
東洋医学の視点から考えますと、アルコールは肝臓を傷つけるので、『怒り』のコントロールができなくなっていきます。
『怒り』というと、自分以外に対する怒りと捉えてしまう方もいますが、自分に対する怒りも同様です。
自分以外の人と接している時間と自分一人の時間、どちらが一日の中で長いかといいますと、自分一人の時間が長い人が大半ではないでしょうか。
つまり、自分を責めやすくなり、自己否定になりやすくなります。
それが続くと、仕事もはかどらない、人間関係も良い状態ではない、今にイライラする、将来に希望が持てない・・・
もう、なんて言っていいのやらってなってしまいます。
と言っても、お酒が好きって言う人もいますよね。
お酒が好きな方が、お酒をたしなんで、美味しく楽しくお酒を飲むことは、とっても良いことなんです。
楽しい記憶が増えていきますから。
ただ、『やけ酒』は心にも頭にも身体にもよくありませんっていうお話です。
で、そうなると、嫌な出来事があった時はどうすればいいんですか?っていう質問が来るかもしれませんね。
嫌な出来事があった時は、まずは環境を変えるのが手っ取り早いです。
そして、心が落ち着いたら、嫌な出来事の裏に隠された良い出来事や学びにフォーカスすると、嫌な出来事が必要だった出来事に変換されます。
たとえば、
職場で嫌なことがあったら、職場の人がいない場所に行きます。
カラオケが好きな人ならカラオケ、コスメが好きな人ならコスメ屋さん。
または、リズミカルな音楽が好きな人は、ヘッドホンでその音楽を聞きながら踊ってみましょう。
背筋をまっすぐにして、顔を上に挙げるだけでも気分が違ってきます。
十分に「嫌だ」と思った環境から意識を話してください。
そして、心が落ち着いてきたら、今度はこう考えます。
「嫌な出来事は、今後の私にとってどう役立つのだろうか?」と。
もしかしたら、○○に役立つかもしれない、と。
どう考えても、役立つことが浮かんでこなかったら、単にこう唱えます。
「これでいいのだ」と。
で、後はいつも通りに過ごします。
嫌な出来事は何度も頭に浮かんでくるかもしれませんが、10年後には忘れていることが大半です。
浮かんで来たら・・・
「これでいいのだ」とか、
大好きなコスメを見に行ったりとか、
好きな音楽に合わせて踊ってみたりとか、
自分が嬉しい・楽しいことをしてみるのが一番いいです。
そして、お酒は楽しんでほどほどに飲む、と。
もちろん、嫌な出来事は解決できる問題であればさっさと解決しちゃいましょう。
解決できない問題であれば、さっさと手放しましょう。
ただ、それを考えればいいんです♪