急激な痛みや夜間痛で知られる石灰沈着性腱板炎
肩関節石灰沈着症とも呼ばれる、石灰沈着性腱板炎は、夜も眠れないほどの痛みが特徴の肩関節周囲の炎症症状です。
石灰沈着性腱板炎(肩関節石灰沈着症)とはどのようなものなのかから、病院での治療法、当院の考え方や治療法についてお伝えしていきます。当院では腕が上がらなかった方が「挙がるようになった」、痛みで眠れなかった方が「眠れるようになった」とうれしい声をいただいております(※個人差があります)。
《目次》
石灰沈着性腱板炎とは
カルシウムが出てくるのはなぜ?
石灰沈着(カルシウムが貯まる)となぜ痛い?
石灰沈着性腱板炎の症状
病院における治療法
当院における考え方と治療法
肩こりからも始まるケースがあるのでケアが必要
石灰沈着性腱板炎とは
肩の関節にカルシウムが貯まり(沈着して)、そこで炎症が起きて痛みが生じるものです。
痛みは強く、腕を動かすこともままならない状態の方もいます。
夜に突然激しい肩(肩関節)の痛みで始まることも多く、夜間痛で寝ることも難しい日が続く方も多いです。
40~50歳の女性に多い症状となります。
カルシウムが出てくるのはなぜ?
肩関節はとても可動域(動く範囲)が大きく、外れないように筋肉で固定しています。その代表的なものが腱板という固い腱です。その腱板内にリン酸カルシウムの結晶が作られて、痛みや炎症が起きてしまいます。
もともとは、このリン酸カルシウムは液体状(濃厚ミルクのようなもの)で流動的なので貯まることがありませんが、何らかの原因でだんだんと固くなってしまい結晶化してしまいます。
石灰沈着(カルシウムが貯まる)となぜ痛い?
肩関節(ほかの関節もそうですが)には、関節が滑らかにスムーズに動くために潤滑油のような液(滑液)で満たされています。それを包んでいるのが滑液包です。
カルシウムが滑液包や腱板に沈着(くっつく)ことで、その動きを妨げるようになります。そのため、肩関節を動かそうとしたときに、肩やその周囲(腕など)に痛みが出るようになります。
石灰沈着性腱板炎の症状
夜間に、非常に強い痛みが肩(肩関節付近)に起きることから始まることが多いです。
夜、肩をどのような状態にしても痛みが治まらずに、眠ることがほとんどできないことが多いです。
症状がでてから、強い痛みが1週間から1か月ほど続き、中程度の痛みが1か月から半年くらい続く方もいます。そこから慢性痛(なんとなく痛い)といった症状が続く方もいます。
※上の症状は一般的に教科書的な部分です。当院の施術を受けた方は異なります。
病院における治療法
多くのケースでは保存療法となります。保存療法は痛み止めの服用が主体で、あとは痛みが去るのを待つという形になります。
痛みが強い場合はブロック注射(肩甲上神経ブロック注射・肩関節注射)を行う場合もあります。そのほかにホルモン剤を注射する場合もあります。稀に手術を行うケースもあります。
痛みが取れてくると、リハビリ(運動療法)やホットパック(温め:温熱療法)などに移っていく場合があります。
当院に来院する患者さんの話を聞く分ですが、保存療法かブロック注射が多いようです。ただ、痛み止めを飲んでもブロック注射をやっても痛いと訴える方がおります。
当院における考え方と治療法
沈着したリン酸カルシウムは動かすことで流れやすくなります。もちろん、単に動かせばいいというわけではありません。動かし方にポイントがあります。
また、肩だけの問題ではなく、手関節・肘関節・肋骨や骨盤の動き方が悪いと肩にも負担がかかり、流れが悪くなります。
骨盤の動きをよくすると、肩の挙がりが良くなったり、手関節や肘関節周辺の動きを良くしたら、肩が楽になるという方も多くいます。
そのため、全身の調整がすべての土台になると考えています。
ただし、単に筋肉をゴリゴリ押すような強揉みや首や腰をボキバキする必要はありません。優しい刺激で整っていくからです。
肩こりからも始まるケースがあるのでケアが必要
肩こりは、身体が「どこか疲れがたまっている部分がありますよ」というサインだと思ってください。
- 肩や首がつかれている方
- 骨盤の動きが悪くなっている方
- 肋骨の動きが悪くなっている方
- 頭蓋骨の動きが悪い方
- 肘関節の動きが悪い方
- 手関節の動きが悪い方
- 足関節の動きが悪い方
- 内臓の働きが悪くなっている方
- リンパ液の流れが悪くなっている方
悪い部分に症状が出るのは初期の段階になります。痛みや不調が慢性的になっている方は、全身症状の中の一つだと思ってください。
一番気になる部分に意識が行くことで、ほかの部分に意識が行かないだけの状態です。
もし、あなたが肩こりや腰痛などの症状でお悩みでしたら、我慢せずにお身体のケアをなさってください。