自律神経の働きを知り、健康に向く生活が大切です
《目次》
自律神経とは
自律神経の種類は
交感神経の働き
副交感神経の働き
自律神経と病気
病気回復に大切なこと
自律神経と白血球
こんなところに気をつけよう
ストレスにはどんなものがあるのか
副交感神経を刺激するための手段
交感神経を刺激する生活スタイル
何ごとにおいてもバランスが大切
自律神経とは
自律神経はあなたの『生きる』ことを自動で成し遂げている神経になります。たとえば腕を動かす時は意識すれば動かすことも止めておくこともできます。
だけど、心臓の動きは意識して止めることが出来ません。呼吸も数秒は止めることが出来るけど、ずっと止めておくことはできません。内臓の動きもそうです。
なぜか?
止まると死んでしまうからです。
つまり、意識とは関係なく自律して動いているんですね。その動きを担っているのが自律神経になります。
自律神経の種類は
自律神経は大きく分けると、『交感神経』と『副交感神経』の二つに分けることが出来ます。交感神経と副交感神経はシーソーみたいな関係だと思ってください。シーソーは片方が高くなれば、もう片方は低くなります。
交感神経が活発に働くようになれば、副交感神経の働きは控え目になります。反対に、副交感神経が活発になれば、交感神経が控え目になります。
交感神経が活発に働いていることを「交感神経が優位に働いている」、副交感神経が活発に働いていることを「副交感神経が優位に働いている」と表現することもあります。
交感神経も副交感神経も両方とも無くてはならない神経で、そのバランスが大切なんですね。
もう一度言いますね。
バランスが大切なんです!
交感神経の働き
交感神経が優位に働くときは、イメージでは戦っているときの身体の状態だと思ってください。
- 血管が細くなります…出血しにくくするため
- 血圧が高くなります…血管が細くなるため
- 循環が悪くなります…血管が細くなるため
- 消化器系の動きが悪くなります…筋肉へ血液を送るため
- 顆粒球(白血球)が増えます…細菌が入ってきてもやっつけるため
- がん細胞が増えます…循環不良や活性酸素の増加のため
- 手足が冷えます…毛細血管の流れが悪くなるため
- 副腎皮質ホルモン分泌が盛んになります…外部に抵抗するため(長期は危険)
昼間は活動的な時間なのでケガをしても防衛できるように交感神経が働きます。
ストレスのかかる状態でも交感神経が優位に働くようになります。
副交感神経の働き
副交感神経はリラックスしているときのイメージをすると理解しやすいのかなと思います。
- 血管が太くなります…循環を良くして組織の回復を促すため
- 血圧が安定します…高くする必要がないため
- 循環が良い状態が保たれます…血管が細くならないので流れやすいため
- 消化器系の働きが良くなります…消化・吸収・排泄を促し健康を維持します
- リンパ球(白血球)が増えます…がん細胞やウイルスを撃退するため
- がん細胞が食べられます…リンパ球のNK細胞が活発に働くため
- 手足が温まりやすくなります…毛細血管が開きやすいため
- 副腎皮質ホルモン分泌が安定します…外敵に対応しなくて済むため
- ホルモンバランスが安定します…循環が良くなるため
昼と夜では夜の方が副交感神経が働きやすい時間帯になります。
自律神経と病気
自律神経の交感神経も副交感神経も大切です。でも、交感神経が過剰に働いている時間帯が高くなってしまうと循環が悪くなったり、内臓の動きが悪くなったりするんです。血糖値も高くなり血圧も高くなります。
この状態が続くと、病気になります。全ての病気は循環不良がかかわっているからです。その原因の多くはストレスですが、ストレスで自律神経バランスが崩れるということで、多くは説明が付きます。
※もっと多くのものがかかわっていますが…
病気回復に大切なこと
病気回復に大切なこと、言い換えると細胞の回復に大切なこと。それは栄養と酸素の供給と、老廃物の排除です。つまり循環です。
もちろん、内部環境となるホメオスタシス(細胞や循環などの脳による設定)が病的な設定になっていたら、その設定を解除したり、良い状態に書き換える必要はありますが、それでも循環は絶対に大切なものとなります。
交感神経ばかりが働く環境であっても、副交感神経ばかりが働く環境であっても、循環は上手に作動しません。
どちらもバランスよく働く環境に整えることが大切です。
自律神経と白血球
白血球は大きく分けると3つに分けられます。顆粒球とリンパ球とマクロファージです。
マクロファージは死んだ細胞などを食べて消化していくという、体内の掃除屋さんみたいなものです。
交感神経が優位に働いていると、顆粒球が多くなります。顆粒球は細菌をやっつけるものです。細菌をやっつけるときに活性酸素(ミサイルの様なモノ)を出してやっつけます。ただし、活性酸素によって血管や細胞が傷つくことがあるので、顆粒球ばかり増えすぎるのは問題です。
副交感神経が優位に働いていると、リンパ球が増えます。リンパ球はウィルスをやっつける白血球ですが、リンパ球の中にはがん細胞などもやっつけるものがあります。ただし、リンパ球が増えすぎるとアレルギーが起きることがあるので、これまた増えすぎることは問題です。
交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、免疫系がしっかりと働き、病気になりにくい身体を維持してくれます。
こんなところに気をつけよう
ほとんどの病気は交感神経が優位に働きすぎているために起きます。言い換えると、循環不良が長い時間続くことで起きるんです。もちろんガンもそうです。
ストレスが一概に悪いというモノではありません。適当なストレスは日常に刺激を与え充実感を与えます。ただ、その人の許容量を超えるストレスをずっと受けていると、循環が悪くなって病気になるんですね。
ストレスとリラックスを適度に生活の中に取り入れ、メリハリのある生活をすることを心がけましょう。
ストレスにはどんなものがあるのか
ストレスは大きく分けると次の3つになります。
- 心のストレス
- 食べ物のストレス
- 身体のストレス
心のストレス
心のストレスは精神的ストレスと感情的ストレスがあります。精神的ストレスと言うのは考え方によるストレスです。同じことが起きてもネガティブに捉えることで起きるストレスですね。感情的ストレスというのは過去の出来事に紐づけられた感情、たとえば過去に起きた出来事と「辛い」という感情をセットにしたものや、未来に対する心配がそれに当たります。
食べ物のストレス
これは食べ過ぎなどもありますし、糖質やグルテンの摂りすぎによる内臓への負担、人工甘味料などによる負担などが含まれます。一番の問題は食べ過ぎです。
身体のストレス
身体のストレスは働き過ぎや動きすぎがそれに当たりますが、反対に動かなさすぎもストレスになりますので気を付けてください。
副交感神経を刺激するための手段
生きている中で、特に大人は交感神経が優位に働きやすい環境にあります。つまり、バランスを取るためには副交感神経を優位に働く環境を作ってあげる必要があります。
そこで、ここでは副交感神経を刺激するための行動の例をあげます。参考にしてください。
- 身体の歪みをソフトに整えてあげる
- 好きな音楽を聞きながらゆったりと過ごす
- 温かいお風呂に30分以上かけてゆったり入る
- 痛い動きをしない
- お笑いのテレビを見てたくさん笑う
- 手や足の指を刺激する(自律神経の反射点があります)
- 朝早く起きて、お日様の光を浴びる
- リズム運動をする
- 深呼吸をたくさんする
- 瞑想する
交感神経を刺激する生活スタイル
知らず知らずに行っている生活スタイルで交感神経を刺激しているかもしれないので、以下の点にも気をつけましょう。
- 人間関係などの心のストレス
- 偏食、過食、肉食などの身体のストレス
- 過酷な労働
- 仕事のストレス
- リフレッシュをする時間が取れない
- 身体の歪みを放っておく
- 冷たいものを好んで食べる
- 夏はガンガンに冷房をかける
- 冷え性をそのままにしておく
- ちょっとの痛みでも我慢する
- すぐに薬を多用する
- 文句や悪口を言ってしまう
- 自分の感情はコントロールできないものだと思っている
- どこかからか飛んでくる黄砂
- 大気汚染
何ごとにおいてもバランスが大切
交感神経、副交感神経、何が大切かではなく、全てが大切です。全てが大切だからこそバランスが大切。
もしあなたが病気なら、何よりもまず、自分自身がどのような状態にあるのかを知る必要があります。
一番大切にしてほしいのが感情です。
感情が良い感情の場合は、ストレスは適度なストレスになりやすいです。同じことでも、悪い感情を持っていると過剰なストレスになりやすくなります。
ですので、楽しい「今」を過ごすようにしましょう!