日本は自己肯定感が低いことで有名な国です。これだけ文化が発達し、社会が発達しているにもかかわらず、自己肯定感が低いのはなぜでしょうか。
そこには今の教育がとても関わっていることがわかっています。
日本は自己肯定感が低い?
2016年に調査された文部科学省の報告(「日本の子供たちの自己肯定感が低い現状について https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/chousakai/dai1/siryou4.pdf)によると、高校1~3年生を対象にした調査では日本の子供たちの自己肯定感が低いことがわかっています。
自己肯定感とは『自分自身に対する価値観』のこと。自己肯定感が高いというのは、自分自身に高い価値があると思っている状態です。諸外国に比べて日本人の若者は自分自身に価値があまりないと思いがちだということになります。
若者でそうですので、大人ではなおさらになります。
なぜかというと、大人になるにつれて人から認められる状況がほとんどなくなっていくからです。
自己肯定感と鬱(うつ)病
「幸せ」や「活動的」と対照的なのが「鬱(うつ)の状態」です。自分の価値観を低く感じていると、物事に対する挑戦(チャレンジ)する気持ちがだんだんと弱くなってきます。これはその人がいかに高い能力を持っていても、自分自身で行動にブロックをかけたりやる気をなくしたりすることで起きてしまいます。
ですので、鬱の人に「頑張れ」とか「目的を持とう」と言っても、それが本人を追い詰める結果になることがあります。そこには自分という存在がないからです。
なぜ自己肯定感が低くなるのか?
そこには教育が関係しています。注意してほしいのは、学校の先生が悪いということではないということ。明治以降の日本のシステムがそうなってしまったということです。教育の根本です。
なぜ日本の教育システムに問題があるかというと、人間性を測る指標が学力に偏ってしまったからです。
私は不思議に思っていたことがありました。
- 学力が高いほど社会人向けになってしまうこと
- 大きなこと成し遂げる人の中に学校に行かなかった人も多くいること
- 非常にまじめな国民性の日本が自己肯定感が低い事
とっても不思議だと思いませんか?
良く考えると、学校で自尊心を育てる教育ってされていないなと言うことに気が付くと思います。
教育で評価されるもの
これからの日本は変わって行くと思いますが、少なくとも今までの日本教育で評価されるものは、試験でとった点数となります。それは評価する側が点数で出てくると分かりやすいからです。
もちろん、良い事をしたら評価しますよ!という声もあるかもしれませんが、毎日の評価されるカテゴリーは試験となります。毎日「良い事をしたね」と褒められる学校もほとんどありません。(褒めるという行為は自己肯定感を高める行為とは違うので注意)
実は内面も点数で評価できるが…教育ではまだまだ
海外では自分の評価は自分で行う事が主流になりつつあります。
これを聞くと、「人間は怠け者だから、自分自身を自分で評価したらみんながうそをついて高く評価するのではないか!?」という意見を受けそうですが、そんなことはありません。
人それぞれが自分に合った指標を設けてそれに挑んでいくというシステムです。
たとえば、朝早く起きてジョギングをするという目標を立てたとします。
そこにルーブリックという評価法を使います。
- 朝、ジョギングを10分出来れば10点(最低でも出来る)
- 朝、ジョギングを20分できれば20点(ここが標準かな)
- 朝、ジョギングを40分できれば30点(これ、自分にとって最高!)
このように指標を自分自身で作り、それに挑むようにします。
これは、テストや試験でも使うことが出来ます。
これを行うメリットとしては、自分が経てた目標を自分自身でクリアしていくプロセス・力が身に着く点です。
「自分やれる!」「自分の人生は自分が切り拓く!」「自分次第だ!」という力が身についていきます。
ここで、自尊心が養われます。
自己肯定感の前にする自己受容
自己肯定感の高め方については後でお伝えしますが、自己肯定感を一生懸命に高めようとしても自己受容が出来ていないと高まりません。自己否定したまま自己肯定感を高めることは出来ないからです。
自己受容のやり方・方法
自己受容のやり方はいたって簡単です!
- 自分がどのように思っているのか気づく
- その思いを認めてあげる
これを繰り返すだけ!
教育では「人を悪く思ってはダメですよ」「そんなこと考えちゃダメ」というあたかも律するような言葉が多く聞きますが、実はそれが自己否定につながります。
「あの人って嫌だなぁ」って本心では思っているのに、「あ、そんなこと考えちゃダメなんだ」って自分の考えを否定するようになるからです。
それを繰り返していると、自己受容できなくなり、「あの人って嫌な人だな」って思うことがあればあるほど、自己否定を繰り返し続け、結果的に「自分はなんてダメな考えを持つ人間なんだ」って考えるようになります。
だから、「あの人って嫌だなぁ」って思ったら、「あ、私はあの人のこと嫌いなんだな」って受け入れてあげる。「あいつ、くそみたい!!!」って思ったら、「あ、自分はあいつのことくそみたいだ!って思っているんだな」って受け入れてあげる。
そこに自己否定はありません。
ただ、思ったことや考えたことを否定せずに受け入れてあげる。
ただそれだけ!
自己受容していると
自己受容をしていると、だんだんと「自分は自分でOKだ!」という考えになってきます。そして自分の心に素直になってきます。素直になって行くと、自己肯定感を高めることが出来てきます。
自己肯定感を高める方法
自己肯定感を高める方法もいたってシンプルです。それは自分が「ありがとう」と言われたこと、そして「ありがとう」と言ったことをメモするだけです。夜に一日を振り返りメモするだけです。
人の幸せになるためには「自分OK」「人を信頼できる」「社会貢献」という3つの段階があります。自己受容することで「自分OK」と「人を信頼できる」が形成されるので、「社会貢献」を行う事で自己肯定感が自然と高まって行くんですね。
「社会貢献」と言うのは大それたものではありません。誰かから「ありがとう」と言われることも、人に「ありがとう」と感謝することも社会貢献となります。身近な友達や家族からできる自己肯定感の高め方です。
教育と自己受容・自己肯定感
自己受容も自己肯定感も誰かからもらうモノや評価されるものではなく、自分で高めていくものです。このプロセスを押している教育はほとんどありません。
先生が教え、先生が評価し、先生が指導する。
これは中心に先生があるだけです。
先生が「教えて」満足する。先生が「評価して」満足する。先生が「指導して」満足する。自分の教えたことや指導したことができない子供は評価を低くする。
何度も言いますが、これは先生が悪いのではなく、教育システムの問題です。
このように教育しなさいとされているので、その教育システムに則った教育しかできない。外れた教育をすると先生の評点が下がったり、周りの先生から問題視されるから出来ないだけです。
だから今から自分自身でやりましょう!
ですので、教育に頼るのは将来に回して、今は自分自身で自己受容をたくさんして、その次に自己肯定感を高めていきましょう!
もしお子さんがいるのであれば、お子さんに対しても自己受容を高めることを率先して行ってほしいと思います。
日本の未来は明るいものです。
みんなが自己受容できて自己肯定感が高くできたら、元気な人がいっぱい増えるから!