夜中帰宅時に家の玄関先で転倒してしまい、全身打撲で次の日からむち打ち症状(首から背中にかけての痛み)を誘発して病院に行ってから、当院(ソフト整体中心の整骨院)に来院した患者さんの症例報告です。
※交通事故によるむち打ち症も同じ機序・同じ治療法が当てはまりますので、参考にしてください。
《もくじ》
発生機序
所見
施術(整体)内容
病院と同じことはしない
回復についての考え方
むち打ち症の治療について
むち打ち症(首から背中にかけての痛み):発生機序
真夜中に帰宅した際に、自宅前の段差が暗くて見えずに足をひっかけて転倒。
段差のある場所で転倒してしまい、身体全体を強く打つ。
ご家族が心配になり、救急車を呼んで病院に行く。
病院の所見では「重大な問題はないので明日にでも整形外科に行ってみてください」とのこと。
帰宅して休み、朝に起きようとしたときにむち打ちのような痛みを感じる。
首から背中にかけての痛みだが、首を動かすことがほとんどできない状態。
整形外科に行きレントゲンなどを撮ってもらうが、そこでも特に異常なしとの診断をもらう。
電気治療と湿布と痛み止めの薬をもらい帰宅。
2日経っても一向に良くならないので、近くで治療院を探したら、当院(整骨院だが、ソフトな全身整体で整える治療法)を見つけて来院。
むち打ち症(首から背中にかけての痛み):所見
来院してきたときは驚きました。
顔面を強く打ったとのことで、まだ腫れは引いておらず、絆創膏が貼ってありました。
首から肩や背中にかけての筋肉は硬直した状態でした。
可動域を診たいと思い、どのくらい動きますか?と聞いたところ、痛みでほとんど動かせないという状態でした。
むち打ち症(首から背中にかけての痛み):施術(整体)内容
石川はりきゅう整骨院では、どこに症状があっても身体全体をソフトな整体で調整していきます。
それは、身体は全体が骨・筋肉・軟部組織で繋がっているからです。
なぜ強い刺激ではなくソフトな刺激かというと、生体反応から考えると強い刺激でグイグイ押しても拒絶反応がでて深部まで伝わらないからです。ソフトな刺激の方が身体が整いやすいことが明らかになっています。
こちらの患者さんは首を動かすことが大変でしたが、仰向けやうつ伏せになる事は可能だったので、横になっていただき歪みの検査とソフトな全身整体を行いました。
その際、むち打ちの症状が強いため、首を動かすことはほとんどしませんでした。
首を緩めるよりも、まずは周りから整えて筋肉などの緊張を撮った方が回復が早いからです。
ゆっくり(と言っても20分くらい)施術してから、身体の反応や圧痛点の反応を確認して、良い反応だったので起き上がってもらいました。
首を揉んだり、肩を揉んだり、電気をかけたりはしていません。すべてソフトな刺激の手技です。
私「今、痛みはいかがですか?」
患者さん「ええ、来たときに比べると相当いいですね、あ、動きますね(^^)」
今回は、来院するときは動くのがやっとだったので息子さんに車で送られてきましたが、帰りは難なくスタスタと帰って行かれました。
むち打ち症:病院と同じことはしない
石川はりきゅう整骨院では病院とは同じ処置は行いません。
もちろん、解剖学や生理学を学んでいますので、身体に負担になる事も致しません。
ただ、病院や他の整骨院ではむち打ちや打撲による痛みがあると、そこに電気をかけたり湿布を張ったりします。ひどいところだとそれで終わりだったり、痛みがあるのに無理やり牽引(引っ張り)をします。
でも、当院ではシップを張ったり牽引をしたりはいたしません。
ですので・・・
- 電気での時間稼ぎはしません
- 牽引など、身体に負担になる事はしません
- 湿布は出しません(根本解決ではないので)
- 意味のない手技はしません(理論のある手技をします)
- ブロック注射はしません(病院で行うものです)
この中には他の整骨院・接骨院で行っているものもあります。たとえば意味のない電気治療や、とにかく人を回して収益を高めることなど。
ですので、治療院・整骨院はきちんと選んだ方が良いと思います。
むち打ち症:回復についての考え方
筋肉が硬くなるのはなぜでしょうか?
それは引っ張られるからです。
バランスが崩れて一方に引っ張られる状態になるからです。
「力が強い側」と「力が強い側」が出来てしまい、バランスが崩れる。崩れた状態が『不必要な歪み』です。
『不必要な歪み』があるため、バランスは悪い状態にキープされてしまいます。
これは、偏った姿勢や力の入り方でも起きますが(たいていはこちら)、急激な力でも起こります。
むち打ちの場合は、後者の急激な力が加わったことで、不必要な歪みが出来てしまい、それが解除されないために筋肉の緊張がとれなくなってしまったと考えられます。
ですので、その『不必要な歪み』を修正しない限り、回復に時間がかかってしまうのです。
また、炎症が起きているときに回復に必要なのは、『酸素』と『栄養』です。
これも『不必要な歪み』を整えていくと循環が良くなります。循環が良くなれば、傷ついた部分への酸素や栄養の供給もされやすくなりますし、老廃物も排出されやすくなります。
そのために、全身のソフトな調整整体が必要となるんです。
むち打ち症の治療について
すべての症状に言えますが、もともと身体には「治ろう」「良くなろう」とする力があります。
いかにその力を発揮しやすい身体を作っていくかが大切です。
だからこそ、全身をきちんと調整していくことが大切なんです。ですので、痛みが出ているところばかりにアプローチすることは的確な治療とは言えません。
ポイントは身体全体を良い状態にすること。
そうすると、身体の緊張(筋肉の硬さ)は柔らかくなるし、循環は回復して酸素と栄養素が回るようになります。
身体全体を良い状態にすることと言うのは、足部・骨盤・背骨・頭蓋骨のバランスをとることになります。
これを前提とした治療法が良いと考えています。
もしあなた様が転倒や交通事故によるむち打ち症でお悩みでしたら、この記事が少しでお役になれば幸いです。
また、施術を受けたい場合はお気軽に連絡をいただけると嬉しいです。
少しでもお役にたちたいと思っております。